診療案内

最先端治療

持続緩除式の肝不全用オンライン血液透析ろ過装置の開発

急性肝不全とは
今までの経緯
Online CHDFとは
Online CHDFの標準治療化の試み

急性肝不全は肝炎ウィルスの感染や薬物性肝障害など様々な原因で、短時間に肝臓の働きが著しく低下する疾患です。肝臓は本来、体に必要な物質を作って、全身に供給する働きと体に有害な物資とを解毒する働きを果たしています。前者の障害により出血を止める物質(凝固因子)が低下し、後者の障害により毒素が蓄積し意識障害(肝性脳症)が出現します。この状態に至ったものを昏睡型急性肝不全と診断します。

急性肝不全は基本的には回復可能な病態ですが、昏睡が発現した場合、内科的救命率は未だに20-30%程度に留まる重篤な疾患です。治療は専門施設で、人工肝補助を中心とした集中治療を行いますが、救命は肝移植に頼らざるを得ない場合も多いのが現状です①。人工肝補助の手法は標準化されたものはなく,日本では血液透析濾過(HDF)と血漿交換の組み合わせが主流で,近年の昏睡覚醒率の著しい向上と,急性型急性肝不全の救命率の向上に寄与したと考えられています。

近年,透析液を置換液として用いるOnline HDFが一部の施設で用いられ,さらに良好な昏睡覚醒効果が報告されています。簡便に大量の濾過・置換が可能であり,昏睡起因物質の除去能に優れているためと考えられています。人工肝補助は集中治療室のベッドサイドで行う必要がありますが、現在のOnline HDFは特殊配管のある場所でしか施行できません.急性肝不全に対するOnline HDFを標準的治療法として普及させるために,

1)水道水から直接,透析液および置換液を大量に精製できること,
2)非定期の患者発生に備え,非使用時の維持管理が容易なこと,
3)持続緩除式(CHDF)ができること,

などを備えた新しいOnline CHDFの機器実用化に向けて、開発を進めています。

参考文献
  1. 坪内博仁,桶谷真,井戸章雄,他.劇症肝炎および遅発性肝不全(LOHF: late onset hepatic failure)の全国集計.厚生労働省科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「難治性の肝胆道疾患に関する調査研究」平成22年度総括・分担研究報告 pp.96, 2011.
  2. 荒田慎寿,他.On-line HDFを用いた人工肝補助療法の治療成績.日消誌 2011;108;A128.
リンク集
岩手医科大学
岩手医科大学附属病院